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【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/01/23 04:09 |
投稿者 | : レッドホーク ID[0108] |
「冒険者日記」で連載中の拙著「エデンシェイド私記外伝」と
ちゅうじさんのブログ「宙印マテリアル」でしか読めない「加工屋日記」
2月のイベントに向けて静かな闘志を燃やす作者の二人が
共同製作でお届けするのはバレンタインデーにちなんだラブストーリー
「エデンシェイド日記外伝:ヘスペリデスの園」
かつて栄えた湖水地方で繰り広げられる物語は悲劇か喜劇か漫才か!?
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/09 03:17 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝W】〜赤鷹は舞い降りた・4〜
右肩が激痛に悲鳴を上げる。レッドホークさんに照準を合わせ、祈りにも似た
気持ちで矢を放つ。狙いたがわず、鏃は鎧の継ぎ目をついて彼の右上腕を貫いた。
彼が一瞬気を逸らしたのを見逃さず、忠兵衛さんが足下を目掛けて棍を横様に
振り抜く。バランスを崩しつつも左手を床について体を反転させ、打点の高い蹴りで
忠兵衛さんを牽制するレッドホークさんの両拳に、吹雪く花のような不可視の
炎が宿る。
狭い屋内では弓は不利だ。かろうじて間合いを取りながら二の矢、三の矢を
射掛けてはみるが、この状況を打開できる訳もない。相手が魔物ならともかく……。
忠兵衛さんも思いは同じなのだろう、棍の重い一撃をまともに当てることもできず、
防御と足止めに終始している。じりじりと削られる体力、そしてついに忠兵衛さんの
手から棍が砕けて落ちた。本能的に飛び退って腰に下げた斧の柄に指を走らせたが、
彼はそれを抜くことができない。棍に比べれば斧の殺傷力は格段に高くなる――
ひとつ間違えば友を傷つけることになる。影を縛られたように、膝をついたまま
動けない忠兵衛さんの肩越しに、僕は息を止めてもういちど弓を引いた。揺るぎない
彼の眼差しが僕たちを射竦める。狙いを定めようとするが、痛みで腕が震える……
痛むのは肩か? 心か?
ためらう僕らをよそにレッドホークさんは見慣れぬ杖を頭上にかざした。杖に
共鳴するかのように、掌に翠色のオーブが光りはじめる――マジックボイド!?
忠兵衛さんは咄嗟にマジックバリアを発動させたようだが、僕は慌てていたせいか、
同じくボイドをぶつけてしまった。室内に弾けるふたつの魔風。鞣革の胴衣が
切り裂かれ、気圧が急激に変化する。いつの間に彼はここまでの風を操れる
ように……? 脳裏をかすめる疑問も束の間、視界が白くなり意識が薄れる。
忠兵衛さんが駆け寄ってくる気配がした。
「行くぞ、ちゅうじ! 走れるか!?」
ごめん無理。言おうとしたが声が出ない。舌打ちひとつ、ほとんど僕を担ぐような
状態で忠兵衛さんは部屋から走り出た。レッドホークさんはどうなっただろう?
手の中の鍵を握り締める。この鍵にこそ彼の不可解な行動の理由が隠されている
はずだが……とにかく今はこの場から離れよう……。
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/09 03:15 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝W】〜赤鷹は舞い降りた・3〜
ついつい忠兵衛さんを見直しそうになった僕だが、こっちの感傷にはお構いなしの
緊迫感のない彼の口調にいきなりテンションが下がる。
「あ、奥にも扉があるぜ。ベッドルームかな〜?」
なんでベッドルームでちょっと嬉しそうなんだ、と思わないでもなかったが、
口には出さず奥へ進む。かっちりと閉ざされた木製の扉。忠兵衛さんが棍を
構えるのを確かめ、慎重に扉を開ける。だがその先も、何の変哲もない部屋だった。
小さな明かり取りの窓は、外からはびこってきた蔦にほぼすべて覆われてしまい、
なおさら暗い。
「ほら〜、やっぱりベッドあるじゃん」
「だから何ゆえにそこで嬉しそうなのかと。不用意に近づかないほうがいいってば、
疲れた冒険者を誘うミミックかもしれないぜ?」
「この際インプでも可愛ければ許す!」
「何の話をしている。というか枕の匂いを嗅ぐのはやめろ。黴臭いだけだろーが」
半ばは呆れ、半ばは彼の明るさに救われる思いで、天蓋付のベッドに歩み寄る。
枕を元の位置に戻そうと忠兵衛さんから取り上げたとき、布地の奥にこつんとした
手触りがあった。中に何か入っているのか? 名も知らぬかつての持ち主に詫びつつ
布地を裂いてみると、片手に収まるほどの小さな紫檀の箱が隠されていた。
「開けてもいいかな?」
忠兵衛さんが目で頷く。罠は仕掛けられていないようだったので、ディスアームは
使わずに素手で表面に触れてみる。なめらかな木肌。元の持ち主が何度となく
その手で包み込むうちに磨かれた円やかさなのだろう。そっと指先に力を込めて
蓋を滑らせる。それを包んでいた絹から手の上へ転がり落ちたのは、青銅色をした
一本の鍵……。
「触れるな!」
聞き覚えのある声に、反射的に今入ってきた扉を振り返った。僕の視覚が相手を
認識するより僅かに先に、その人影が眼前に迫る。速い――! 回避はおろか盾も
間に合わず、右肩のあたりに強烈な回し蹴りを受けて僕の体はなぎ倒された。
壁際まで弾き飛ばされた僕の前に、忠兵衛さんが飛び出す。
「レッドさん!! 何すんだ、ちゅうじだぜ!?」
撃ち込まれる拳を愛用の盾で受け止めて、レッドホークさんと睨みあう形になる。
「その鍵は……! お前たちなどには触れさせない!!」
声も姿も、間違いなくレッドホークさんなのに、痛切な叫びは彼の唇とは違う
ところから響くような気がした。二人の力が拮抗する隙に体勢を立て直し、弓を
引き絞る。
この距離ならば……今の僕の力ならば……!
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/09 03:15 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝W】〜赤鷹は舞い降りた・2〜
さらに幾つかの部屋を検めたあと、僕たちはどことなく奇妙な部屋に立っていた。
荒らされるままの他の部屋とは違い、いくらか埃が積もってはいるものの小奇麗に
整頓されているのだ。片方の壁面は天井まできっちりと書物が並べられた書架。
奥には書き物机やクローゼットらしきものも見える。踏み込むときに妙な耳鳴りを
感じたが、これといってトラップがある様子もない。
「これは女の部屋だな〜」
したり顔で忠兵衛さんが判定する。何を根拠に。
「ん〜、匂いっつの? それに、部屋のあちこちに花を飾ってた形跡がある!」
「花ぐらい召使が飾ってたんだろ。っていうか、細かいとこにいちいち足止めてる
場合じゃないんだし……」
「しかしすごい本の量だなー。俺にも読めるような本ないかな」
「……こう言っちゃ何だけどさ、レッドさん探しに行こうって泣きついてきたのは
忠兵衛さんの方じゃん? なんか暢気すぎない?」
忠兵衛さんの困ったような、けれどまっすぐな目が僕を見る。ちょっと言い方が
キツかったかと内心たじろいだが、彼は手にした本を書架へ戻すとゆったりと笑った。
「ごめん、何かちゅうじを見てたら、大丈夫な気がしてきてさ」
「はぁ?」
「俺さ、レッドさんと連絡取れなくなったとき、あの人が黙っていなくなりそうで
不安だったんだ。でも、たぶん大丈夫だ。レッドさんのことを心配してる俺や
ちゅうじのこと、あの人もわかってると思う。ちゅうじがそうやってレッドさんを
探してるんだから、きっと彼はちゃんと帰ってくる」
「……よくわかんないけど、わかった。こっちこそごめん」
そう、この感覚。明日に何の約束もできない僕たち冒険者が、唯一帰りつくこの
思いがある限り、きっと大丈夫――。
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/09 03:18 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝W】〜赤鷹は舞い降りた・1〜
レッドホークさんを追って薄闇の城へと乗り込んだ僕たちはしかし、
あっという間に彼を見失い、棒倒し・くじ引き・サイコロなどで行き当たり
ばったりの探索を続けていた。そもそもこの城はやたらギミックが多くて
不規則な構造なうえ、忠兵衛さんがうっかりスイッチを触ったおかげで床が
抜ける罠にかかったり、空間転移の装置を起動させたりと余計なことをする
せいで、しまいには自分たちが何階にいるのかもよくわからなくなってきた。
「問題は、レッドさんが何を目的にこの城に来てるかだよな。上に行きゃ
いいのか、下に行きゃいいのかもわかんねぇ」
探索中に見つけたパンを食べながら忠兵衛さんが言う。よくそんな原料不明の
パン食えるなーとは思うが、僕のほうも持ってきた食料が残り少なくなってきた。
やはりこのパンを食うべきなのか。いつ誰が作ったともわからんパンを。
不意に、どこからか猫の鳴き声が聞こえた。この城では些細な生物の気配も
脅威になる。古の禁術によって歪められたキメラが絶えず徘徊しているからだ。
僕たちはそれぞれの武器を手に、声のする方向に神経を研ぎ澄ます。威嚇の声と
ともに、朽ち果てたチェストの陰から異形の生物が姿を現した……が、それは
とても小さな、両掌で包めるほどの生物だった。体は猫っぽいが、顔はネズミ
だろうか? 蝙蝠のような翼のついた背中の毛を逆立てて、僕の足下をぐるぐる
回っている。
「これも……キメラ?」
拍子抜けした顔で忠兵衛さんがその生物を抱きあげた。
「まあキメラには違いないだろうけど……失敗作? まったく危険を感じない
わけだが」
「いや、よく見ればけっこう可愛いよ? 可愛さは最強の武器だろ!」
言いながらキメラの鼻先にパンを差し出してみたりする盾職人。餌付けすな!
でキメラのほうも素直に人の手から食うな! 必死にパンを頬袋に貯めてる
姿はちょっと可愛……いやいやいや。もういい、ほっといて先行こう。
「なあ、これ連れてっていい? 俺飼いたい」
えーと、今何とおっしゃいましたでしょうか。
「ペット探しに来たんじゃないだろ、猫ネズミより赤鷹が先っ!」
「同列かよ」
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/06 06:25 |
投稿者 | : レッドホーク ID[0108] |
凶暴化したレッドホークに戦略的撤退を余儀なくされた、忠兵衛さんとちゅうじさん。
理不尽なバトルに戸惑いを隠せないまま、レッドホークの安否を気遣うはずが
ついに二人は喧嘩になって・・・。次回、エデンシェイド日記外伝Y。えっ!漫才コンビ解散!?
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/06 06:27 |
投稿者 | : レッドホーク ID[0108] |
【エデンシェイド日記外伝V】〜サルタス・2〜
貴方に出会うまで、私は人を愛せるとは思わなかった。
一人で生きていけると言った私に貴方は泣き笑いのような顔をした。
誰にも頼らない強さを求める私とは何もかもが正反対だった。
貴方は人の心の弱さを知っていた。それを恐れてもいなかった。
けれど向こう見ずで危ない事ばかりして、そのくせ私の世話を焼きたがる。
何が出来るわけでもないのに、自信と希望だけは満ち溢れていた。
楽しみは大声で笑い、失敗すれば泣き言を言う。そんな貴方に私は惹かれていった。
あの庭で貴方と過ごした時間は私の喜びの全てだった。
貴方が見るものは、私の瞳を引き寄せ
貴方が思うことは、私の心を揺さぶり
貴方が望む彼方は、私の魂を突き動かした
サルタス。私が最初で最後に愛した人・・・
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/06 06:19 |
投稿者 | : レッドホーク ID[0108] |
【エデンシェイド日記外伝V】〜サルタス・1〜
草木が生い茂る暗がりの中を進む。城へ通じる道は一本しかない。
足元の石畳に生えた苔が過ぎ去ってしまった取り戻すことのできない時間を感じさせた。
歩くほどに懐かしい景色は失われていく。遠くに見える城は蜃気楼のようにいつまでも輪郭が定まらない。
短剣を腰に収めると荷物袋から杖を取り出し感触を確かめる。やはりこの方が扱いやすい。
道すがら思い出にある城の姿を心に描こうと必死に記憶を手繰り寄せる。
毎日が陽だまりの中にいるように満ち足りていたあの頃を。
町を訪れたときもそうだった。今は荒れ果ててしまい見る影もない。
居心地の良い素敵な町だった。決して大きくはなかったしどちらかというと不便だった。
けれど湖畔に広がる緑豊かな町並みは夏になると湖面から吹き上げる爽やかな風が快く
冬には城をやさしく包み込むように雪化粧した丘の頂が安らぎと美しさを与えてくれた。
外れには古くから侵食によって出来た巨大な洞窟があり子供達の格好の遊び場だった。
幼い頃は夏の収穫祭で松明を灯して演じられる4人の王様の出し物に夢見心地の夜を過ごした。
城を離れたことをずっと後悔していた。だけど許すことができなかった。
長い旅から戻ってきたのにそのまま研究へ没頭してしまう姿に裏切られた気持ちがした。
寂しさとやるせなさで押しつぶされて私が消えてしまいそうだった。
一人でいたときはこんな風に悩みはしなかった。だから私は距離を置くようにした。
逃げ出すことで私を守ろうとした。強い私を取り戻そう。そうすれば大丈夫。また笑顔でいられるから。
あの時はそうするのが一番良い方法だと信じていたのに・・・
城門まで辿り着いてもその姿は歪んだままだった。時折水面に揺れる月のように像が波打っている。
前へ進もうとするが足踏みさせられる感じで押し戻される。ふと思い立って鍵の束を高く差し上げた。
それに呼応したのか門構えが膨張し包み込むように覆いかぶさる。城の中には入れたが通いなれた通路が見当たらない。
不意に奇妙な生き物に襲われたり所々仕掛けられた罠にも動じる事はなかった。町での戦いが自信を深めている。
この肉体ならば城内でもいける。どうしても昔過ごした部屋をみつけたかった。それだけがたった一つの道しるべだから。
夜が明けても儚い一日は続く。
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/02 04:09 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
■次回予告■
レッドホークを動かす彷徨える魂。
予期せぬ侵入者に鍵を奪われながらも、
切なる心は愛する者の面影を求めずにはいられない。
時の流れを超えて、鎖された扉は何を意味するのか。
闇が支配するこの城で、引き裂かれた想いが再び巡り会うとき……
次回、エデンシェイド日記外伝X。
終わらない悲劇は、彼をどこへ連れてゆくのか。
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/02 03:57 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝U】〜僕らは赤鷹捜索隊・3〜
というわけで忠兵衛さんと僕は『赤鷹捜索隊』を結成し、日の傾き始めた
街道を再び東へと向かった。しかし、男を一人探すには瓦礫の町はそれなりに
広い。あてもなく歩き回り、たまたま仕留めた猿頭虎体の皮を剥ごうと
屈みこんだとき、
「しむ……じゃなくてちゅうじ後ろー!」
忠兵衛さんの声と同時に頭上に大きな影が差した。振り返ると蒼天にきらめく
黄金色の翼――獅子頭だ! 咄嗟に矢をつがえるが間に合わない。教会送りを
覚悟した次の瞬間、重い音を立てて獅子頭の体が目の前に落ちてきた。唖然と
していると、駆け寄ってきた忠兵衛さんが獅子頭の死体の向こうを指差して叫ぶ。
「いた! レッドさん、何してんだよ! 心配したんだぜ?」
そこに立っているのは確かにセナルスの赤い鷹。だがしかし、彼はこちらを
静かに一瞥すると、瓦礫の道を無言で立ち去ってしまった。その先には奇怪な
城門――薄闇の城が佇んでいる。
Re: 【バレンタインSP】レッドホークVSちゅうじ!!
投稿日 | : 2008/02/02 03:56 |
投稿者 | : ちゅうじ ID[0117] |
【エデンシェイド日記外伝U】〜僕らは赤鷹捜索隊・2〜
手書きの文字を見ていると、あの町に確かに人々が暮らしていたことを
改めて実感する。なんとなく人恋しくなって、バザーの人波に流されるまま
ぶらついていると、不意に後ろからタックルかまされた。無防備だったもんで
道の真ん中で相手ごとすっ転んだ。誰じゃいコラ。
「ちゅうじ〜、どうしよぉぉぉっ」
怒りを込めて振り返ってみれば、親しくしている盾職人の忠兵衛さんだ。
いつもお互いの露店を行き来してはくだらない長話をする間柄なのだが、
今日は何やら困窮しまくった表情で涙目になっている。
「なあ廃墟行こうよー、レッドさんがぁぁぁ〜」
「ちょ、待て、何の話か順を追って詳しく。あと泣くな」
彼が言っているのは、レッドホーク――『セナルスの赤い鷹』の通り名を
持つ男。僕たちと同じような時期にセナルスへとやってきた彼は、そのときから
既に旅慣れた冒険者の風格を漂わせていた。その蓄積された経験と穏やかな
言葉に、僕たちは何度となく助けられたものだ。
「調べたいことがあるから、薄闇まで行ってくるって3日前出かけたらしい
んだけど……ロケーションで探査したらずっと廃墟から動いてないし、キャンプ
した形跡もないし。送ったメッセージにも返事がなくて……」
「それは確かに気になるな……」
「『小熊』の女将にも、ギルマスにも、酒場に張りついてる酔っ払いにも
聞いたんだよ〜。でも誰もレッドさんを見てないって言うしっ」
「わーかったっ。食料取ってくるから、そこ動かないで待ってろって」